朧咲夜ー外伝ー【完】
喧嘩っつーか俺が一方的にキレてぶん殴っただけなんだけど……。
りゅうは俺が絆にマジだって知ったら蒼ざめて謝ってきたし。
……一年違うだけで知らなかったけど、あいつと俺の周りは大分違っていたようだ。
りゅうが絆にキスしたって聞いたときはそれこそ――世界が静止した。
音も光も触れるものも一切ない世界に覆われたとすら思ったから。
その足でりゅうのことぶん殴った。
未だにあれだけは悔しい。
――俺がもっとちゃんとしてたら、はっきり絆と付き合っていられる立場だったら、りゅうだってそんな勘違いしないですんだのに。
俺にも責任があることはわかっている。
……それでも、ゆるせなかった。