朧咲夜ー外伝ー【完】
「咲桜」
「はい?」
今度絆は、じっと咲桜ちゃんを見た。
長身の咲桜ちゃんだから、大分見上げてる形になっている。
「……咲桜も変わり者だったのね……」
おーい? かわいい後輩になる子、なんだろー?
絆の流夜評が、咲桜ちゃん評にまで影響しないといいけど。
咲桜ちゃんは少しだけ首を傾げた。
「そうみたいですね。置いて行かれても、追いかけちゃうんだから、向こうにしたらとんだ迷惑ですよね」
りゅうが逃げるためにいなくなったわけじゃない。
俺が訂正しようとしたけど、絆の声の方が先だった。
「上等じゃない。困らせてやってちょうどよ。可愛い彼女置いていくようなヤツなんて」
……その言い分には、俺も否定は出来なかった。