朧咲夜ー真相ー【完】

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吹雪の前にはブラックのコーヒー。咲桜の前には紅茶が置かれている。


「僕と出かけること、流夜何か言ってなかったの?」


「私からは連絡つきませんもん。今は恋人終わりにしちゃったから、文句言われる筋合いもありません」


「………」
 

もし今の言葉を聞かされていたら、と目に浮かぶような幼馴染のテンパっている姿。


ぷっと笑っていると、咲桜が声をほそく訊いてきた。


「吹雪さんはすきな人いないんですか?」


「……僕、そういう女子じみた話苦手だよ。なに、急に」
 

あまり愉快そうな顔は出来ないが、吹雪は文句を言いつつ付き合う。


「いえ、流夜くんたちと宮寺先生の諍いの理由を聞いたので。まさかほんとーにそういった話だったら私も色々違ってくるので」


「ああ……あのバカげたやつね。そういうんじゃないよ。僕がそういう話に興味ないの、絶対敵わないくらいすきな人が、ずっと前からいるからだよ」


「ずっと、ですか?」


「うん。生まれた時からずっとだよ」



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