朧咲夜ー真相ー【完】
あいつが誰かを――傍にいてほしいと望んだのは、こいつの娘、たった一人だ。
降渡や吹雪との縁もただの幼馴染ではないから、切れる縁とは思っていないだろう。
続くとわかっているから望まないのかもしれないけど、流夜が自分から手を伸ばしたのは、娘ちゃんだけだ。
斎月の小娘は、ちょっと異色だから同列に語るべきではないだろうしな。
「あれは、自分を嫌ってはいねえよ。お前と違って」
「………」
応(いら)えはない。
在義は心底から『自分が嫌い』だからなあ。
在義と流夜もまた、同列に語るべきではない。