朧咲夜ー真相ー【完】
「華取在義だ。簡単にだが、今後起こるだろうことを説明させてもらう。まず、君は事件の被害者として聴取を受ける。
あと三十分もすれば、担当の刑事がやってくるだろう。その後、君は事件の被疑者の一人として扱われるだろう。任意ではない。令状は既に出ている」
厳しい在義の口調に、流夜は惑う。
今在義は、どちらとしてここにいるのだ――?
「ええ……わかりました……」
彼は呼吸をするのも億劫なように喋る。
そして在義を見返してきた。
「……あなたも……警察の……?」
「この件の担当どころか、管轄も違う県警だ。ここに来たのは、君に言って置かねばならないことがあるからだ」
……ああ、そちらか。
流夜は瞼をおろした。