朧咲夜ー真相ー【完】


「華取在義だ。簡単にだが、今後起こるだろうことを説明させてもらう。まず、君は事件の被害者として聴取を受ける。

あと三十分もすれば、担当の刑事がやってくるだろう。その後、君は事件の被疑者の一人として扱われるだろう。任意ではない。令状は既に出ている」
 

厳しい在義の口調に、流夜は惑う。


今在義は、どちらとしてここにいるのだ――?


「ええ……わかりました……」
 

彼は呼吸をするのも億劫なように喋る。


そして在義を見返してきた。


「……あなたも……警察の……?」


「この件の担当どころか、管轄も違う県警だ。ここに来たのは、君に言って置かねばならないことがあるからだ」
 

……ああ、そちらか。
 

流夜は瞼をおろした。

< 57 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop