朧咲夜ー真相ー【完】
「……斎月がいれば、もっとはっきりわかったかもしれませんが」
そう前置きして、流夜は話し出した。
「長くは、もたないと思います。裁判を終えるまで、生きていないかもしれない」
「君がかっ⁉」
在義はよっぽど余裕を失くしているらしく、まさかの誤解をされた。
「なんでですか。あの男ですよ。……心音に嫌な音が混じっていました。俺では、どこが原因か、まではわかりませんが」
機械の制度を持つ弟ならば、その死期までわかってしまうかもしれない。
……嫌な特異能力だ。
「医者はもう気づいているはずです。在義さんには伝えられなくても、担当刑事には……」