幾久しく、君を想って。
拓海との約束は何があっても守る。
それが親としての最低限の決まりだと思っている。
嬉しそうに、やっと笑う拓海を抱きしめてやりたい。
大きな声を上げてごめんね…と謝りたい。
「おやすみ」
細い体を翻して自分の部屋へ行く。
小さい頃はその背中を追って、一緒に布団へと入ったけれど。
「おやすみ。布団はきちんと掛けてね」
いつもと同じ言葉をかけて見送る。
こうして拓海は、私の元から少しずつ巣立っていくんだ。
静かにドアが閉まり、それと同時にスマホが揺れてメッセージが入ってきた。
ロックを解除し画面を覗けば、さっき言葉を交わし終えたばかりの相手。
『金曜日には話があります。少しだけ時間貰えますか?』
悩んだ挙句に送ってきたのだろうか。
その文字を見ながら、話の内容をつい考えてしまう。
またデートの誘いなのか。
それとも他の事か。
『あまり遅くならなければいいですよ』
そう返事をしながら『話って何ですか?』も加えたくなった。
文字ではいけないのだろうかと思いつつ、小さな吐息を漏らしたーー。
それが親としての最低限の決まりだと思っている。
嬉しそうに、やっと笑う拓海を抱きしめてやりたい。
大きな声を上げてごめんね…と謝りたい。
「おやすみ」
細い体を翻して自分の部屋へ行く。
小さい頃はその背中を追って、一緒に布団へと入ったけれど。
「おやすみ。布団はきちんと掛けてね」
いつもと同じ言葉をかけて見送る。
こうして拓海は、私の元から少しずつ巣立っていくんだ。
静かにドアが閉まり、それと同時にスマホが揺れてメッセージが入ってきた。
ロックを解除し画面を覗けば、さっき言葉を交わし終えたばかりの相手。
『金曜日には話があります。少しだけ時間貰えますか?』
悩んだ挙句に送ってきたのだろうか。
その文字を見ながら、話の内容をつい考えてしまう。
またデートの誘いなのか。
それとも他の事か。
『あまり遅くならなければいいですよ』
そう返事をしながら『話って何ですか?』も加えたくなった。
文字ではいけないのだろうかと思いつつ、小さな吐息を漏らしたーー。