幾久しく、君を想って。
私は何を話せばいいのか分からず、彼は話を始めるタイミングを狙っていたんじゃないかと思う。
駅の近くまで来たら緑色のカフェスタンドのロゴ看板が見えた。
あそこでコーヒーでも飲みながら話そうと誘われるのかと身構えたけれど、それはなくて通り過ぎていく。
次第に松永さんの話はいつ始まるのだろうかと心配になった。
そもそも彼が話したい内容というのは何なのだろうか。
前回の様なデートの誘いにしては慎重すぎる。
気軽に話せる内容でもないのか、やけに雰囲気も横顔も神経質そうだ。
駅を通り過ぎてガード下へ向かう。
引っ手繰りと痴漢の名所になっているんだというのを思い出して、今夜は彼が居るから大丈夫だと息を吐いた。
「……宮野さん」
ガード下に掛かるか掛からないかという辺りで声をかけられ、やっと始まるのか…と彼を見た。
「はい」
目を向けると見下ろされ、何故だか知らないけど足が止まった。
自分だけが先を歩くのもおかしな気がして止める。
何だろうかと彼を見遣ると、真剣そうだけど少し弱った様な眼差しを向けられた。
その目から逃げられず、ただじっと見返していた。
唇の端が一回きゅっと締まった。
意を決するように引き締まり、こっちも思わず力が入った。
駅の近くまで来たら緑色のカフェスタンドのロゴ看板が見えた。
あそこでコーヒーでも飲みながら話そうと誘われるのかと身構えたけれど、それはなくて通り過ぎていく。
次第に松永さんの話はいつ始まるのだろうかと心配になった。
そもそも彼が話したい内容というのは何なのだろうか。
前回の様なデートの誘いにしては慎重すぎる。
気軽に話せる内容でもないのか、やけに雰囲気も横顔も神経質そうだ。
駅を通り過ぎてガード下へ向かう。
引っ手繰りと痴漢の名所になっているんだというのを思い出して、今夜は彼が居るから大丈夫だと息を吐いた。
「……宮野さん」
ガード下に掛かるか掛からないかという辺りで声をかけられ、やっと始まるのか…と彼を見た。
「はい」
目を向けると見下ろされ、何故だか知らないけど足が止まった。
自分だけが先を歩くのもおかしな気がして止める。
何だろうかと彼を見遣ると、真剣そうだけど少し弱った様な眼差しを向けられた。
その目から逃げられず、ただじっと見返していた。
唇の端が一回きゅっと締まった。
意を決するように引き締まり、こっちも思わず力が入った。