幾久しく、君を想って。
ハーフ成人式
「おかえり」
朝になって拓海は実家から部屋に戻った。
ドアを開ける子供に声をかけているのに、本人はじっと外を睨んでいる。
「…拓海?」
寝不足でショボショボする目を瞬きさせた。
拓海は「うん…」と呟き、パタンとドアを閉めて入ってくる。
「朝ご飯は?」
「おばあちゃんが作ってくれた」
「そう、ならいいね」
そう返しながら母には申し訳ないな…と思う。
後で実家へ顔を出して、昨夜は遅くなってごめんね…と謝っておこう。
昨夜家に帰ってからずっと、スマホの電源は切っている。
松永さんからメッセージやメールがくると返しようがないと思い、わざと電源も入れずにおいた。
昼近くになって電源を入れてみると、意外にも林田さんからメッセージが届いている。
『宮ちゃん、その後あのイケメンとどう?』
まずい事を聞いてくると思い、すぐにそれを消去した。
知らん顔をしていると何度も入ってきそうだから、先手を打つつもりで電話した。
「もしもし〜、宮ちゃ〜ん!」
電話に出た人は、いいところに掛けてきたと喜んだ。
「お願いあるのよぉ。私に簡単に作れるチョコレート菓子を教えて〜」
猫なで声で頼むところを見ると、既に一回失敗しているのではないか。
「宮ちゃん今年、何を作るの?」
毎年恒例の友チョコは何かと問われた。
朝になって拓海は実家から部屋に戻った。
ドアを開ける子供に声をかけているのに、本人はじっと外を睨んでいる。
「…拓海?」
寝不足でショボショボする目を瞬きさせた。
拓海は「うん…」と呟き、パタンとドアを閉めて入ってくる。
「朝ご飯は?」
「おばあちゃんが作ってくれた」
「そう、ならいいね」
そう返しながら母には申し訳ないな…と思う。
後で実家へ顔を出して、昨夜は遅くなってごめんね…と謝っておこう。
昨夜家に帰ってからずっと、スマホの電源は切っている。
松永さんからメッセージやメールがくると返しようがないと思い、わざと電源も入れずにおいた。
昼近くになって電源を入れてみると、意外にも林田さんからメッセージが届いている。
『宮ちゃん、その後あのイケメンとどう?』
まずい事を聞いてくると思い、すぐにそれを消去した。
知らん顔をしていると何度も入ってきそうだから、先手を打つつもりで電話した。
「もしもし〜、宮ちゃ〜ん!」
電話に出た人は、いいところに掛けてきたと喜んだ。
「お願いあるのよぉ。私に簡単に作れるチョコレート菓子を教えて〜」
猫なで声で頼むところを見ると、既に一回失敗しているのではないか。
「宮ちゃん今年、何を作るの?」
毎年恒例の友チョコは何かと問われた。