幾久しく、君を想って。
トラックのエンジン音に似たものが聞こえてきて、思わずビクッと手が止まった。
時計を見上げれば二時をとっくに過ぎていて、いつもより遅い到着だと気づく。
パソコンのキーボードに置いている手を握りしめ、バッグして止まるトラックの気配を感じた。
観念して立ち上がり、あげれそうなら渡そうと、引き出し内のマフィンをカーディガンのポケットに突っ込む。
「こんにちはー!COーOPでーす!」
金曜日以来の声に大きく胸が弾んだ。
私と目の合った松永さんは、少し顔を強張らせながら挨拶をした。
「こんにちは。宮野さん」
名前を呼ばれただけで体中が少し震えた。
途端に何も言えなくなり、事務室のデスクを離れて厨房に続く通路へと向かった。
ぺこん、と頭を下げ、無言で前を過ぎて行こうとしたら、松永さんの手が伸びてきて、ぎゅっと手首を握りしめた。
「あの、ちょっとこれを…」
声に振り向いて見れば、彼の手の中には、小さな赤い箱が握られている。
「今日はバレンタインですよね。俺、宮野さんにこれを渡したくて」
差し出された箱には、白地にハート柄の入ったリボンが掛けられている。
戸惑いながら箱を見つめ、それから直ぐに彼を見直した。
「食べてみて下さい。ハート型のイチゴなんです」
時計を見上げれば二時をとっくに過ぎていて、いつもより遅い到着だと気づく。
パソコンのキーボードに置いている手を握りしめ、バッグして止まるトラックの気配を感じた。
観念して立ち上がり、あげれそうなら渡そうと、引き出し内のマフィンをカーディガンのポケットに突っ込む。
「こんにちはー!COーOPでーす!」
金曜日以来の声に大きく胸が弾んだ。
私と目の合った松永さんは、少し顔を強張らせながら挨拶をした。
「こんにちは。宮野さん」
名前を呼ばれただけで体中が少し震えた。
途端に何も言えなくなり、事務室のデスクを離れて厨房に続く通路へと向かった。
ぺこん、と頭を下げ、無言で前を過ぎて行こうとしたら、松永さんの手が伸びてきて、ぎゅっと手首を握りしめた。
「あの、ちょっとこれを…」
声に振り向いて見れば、彼の手の中には、小さな赤い箱が握られている。
「今日はバレンタインですよね。俺、宮野さんにこれを渡したくて」
差し出された箱には、白地にハート柄の入ったリボンが掛けられている。
戸惑いながら箱を見つめ、それから直ぐに彼を見直した。
「食べてみて下さい。ハート型のイチゴなんです」