幾久しく、君を想って。
そう思ったら、自分も松永さんのことを黙っていてはいけない。
自分に好きな人ができたことを、教えてもおいてあげないと…と思えてきた。
「あのね、拓海、ちょっと待ってて」
寝室に行き、彼のくれた赤い箱を枕元から取り上げキッチンに立った。
さっと洗ってからペティナイフで葉を落とし、それを二つに切ると、断面は綺麗なハート型になった。
「ほら、見て見て」
声のトーンを上げて振り向いた。
両手の指先で摘まんだイチゴを見た拓海は、目を開いて近寄った。
「これね、ハート型のイチゴらしいの。昨日、職場の関係者から頂いてね」
松永さんが仕事の関係者であることは間違いではない。
少しの違いがあるのは大目に見ながら、一緒に味見しよう…と持たせた。
「スゴい!本当にハート型だ!高そう!」
拓海の言葉にハッとした。
そう言えば、イチゴがこんな形に偶然出来上がるのだろうかと思っていたんだ。
「いただきまーす!」
勿体ぶらずに一気に口に入れた拓海は、ギュッと噛んだ瞬間にニヤけだした。
「すっげー美味い!!」
噛み砕いた後、大きな声を上げる。
「すげー!すげー!」と連呼しながら、私にも早く食べるようにと促した。
言われるままに先端を前歯で噛みきった。
その瞬間に口の中に広がる香りと甘酸っぱさで、思わず口を窄めた。
自分に好きな人ができたことを、教えてもおいてあげないと…と思えてきた。
「あのね、拓海、ちょっと待ってて」
寝室に行き、彼のくれた赤い箱を枕元から取り上げキッチンに立った。
さっと洗ってからペティナイフで葉を落とし、それを二つに切ると、断面は綺麗なハート型になった。
「ほら、見て見て」
声のトーンを上げて振り向いた。
両手の指先で摘まんだイチゴを見た拓海は、目を開いて近寄った。
「これね、ハート型のイチゴらしいの。昨日、職場の関係者から頂いてね」
松永さんが仕事の関係者であることは間違いではない。
少しの違いがあるのは大目に見ながら、一緒に味見しよう…と持たせた。
「スゴい!本当にハート型だ!高そう!」
拓海の言葉にハッとした。
そう言えば、イチゴがこんな形に偶然出来上がるのだろうかと思っていたんだ。
「いただきまーす!」
勿体ぶらずに一気に口に入れた拓海は、ギュッと噛んだ瞬間にニヤけだした。
「すっげー美味い!!」
噛み砕いた後、大きな声を上げる。
「すげー!すげー!」と連呼しながら、私にも早く食べるようにと促した。
言われるままに先端を前歯で噛みきった。
その瞬間に口の中に広がる香りと甘酸っぱさで、思わず口を窄めた。