幾久しく、君を想って。

『正直に言ってもいいですか?』


ビクン!とする様な言葉に手が震えた。
嫌だと言われても当然なんだと諦め、『勿論です』と答えた。


松永さんの文字がくるまでに、また少しだけの間が空いた。
それをハラハラした気持ちで待ち構え、電信音が聞こえたら直ぐさま確かめようとしていた。



一分もしないうちに文字は返った。

それを見て、ぐっと胸の奥が熱くなった……。




『真梨さんの子供には会いたいです。俺を彼氏だと言って紹介してくれますか?』




何だかもう……あまりにも彼が優しい人過ぎて辛い。

喜んでいい筈なのに、反対に辛くて涙が込み上げてきた。




『真梨さん?』


どうして今は苗字ではないのか。
それを思いながら、『ありがとう』の五文字を贈った。


『もしかして、また泣いた?』


見えてるの?と思いながら、『いいえ』と送り返したけれど。


『嘘は吐かないように』


私の気持ちを知っているのか、彼自身が嘘を吐くのが嫌なのかどうか。

何もかもバレているんだ…と思い、『複雑すぎて泣けました』と打った。



『実は俺もまだ複雑なんだ』


私達の文字は言葉以上に気持ちを語る。

その一文字一文字に魂を込めて、その夜は遅くまで話し込んだ。


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