幾久しく、君を想って。
人生最大の財産は……
「拓海ちゃん、おじいちゃんと一緒にお風呂へ入ってきて」
二人が帰った後、母はアパートへ来るなりそう言った。
少し強張った表情で言い渡すものだから、拓海は逆らわない方がいいと直感したらしい。
「うん…」と私を気にしながら部屋を出て行き、一人で実家へと向かう。
母と私はドアの前で拓海のことを見送り、実家の玄関が無事に閉まるのを確認してから目を離した。
「真梨に話があるの。ちょっといい?」
振り向いた母の顔は固く、まるでお仕置きをされる前のような感じがする。
何かをしただろうかと戸惑い、不安を抱きながら了承した。
「いいけど」
どうぞ…と言いながら母をリビングへ通した。
お茶でも淹れる?と聞いたけれど、母はいらないと答え、私に座るよう促した。
嫌な予感を胸にしたままで母の斜向かいに座った。
母は黙って私のことを眺め、「珍しいわね」と声を漏らした。
「え?」
「スカート。真梨が家で穿くなんて珍しいわね」
呟いた後、しげしげと裾から出ている脛を見ている。
「そ、そうかな」
ぎくりとしながら足を少し引っ込めた。
眼差しを向ける母を気にしながら、話があるのなら早くして欲しい…と願った。
「お母さん?」
一体何?と聞こうとした。
母はその言葉を遮るように、先に質問をぶつけてきた。
二人が帰った後、母はアパートへ来るなりそう言った。
少し強張った表情で言い渡すものだから、拓海は逆らわない方がいいと直感したらしい。
「うん…」と私を気にしながら部屋を出て行き、一人で実家へと向かう。
母と私はドアの前で拓海のことを見送り、実家の玄関が無事に閉まるのを確認してから目を離した。
「真梨に話があるの。ちょっといい?」
振り向いた母の顔は固く、まるでお仕置きをされる前のような感じがする。
何かをしただろうかと戸惑い、不安を抱きながら了承した。
「いいけど」
どうぞ…と言いながら母をリビングへ通した。
お茶でも淹れる?と聞いたけれど、母はいらないと答え、私に座るよう促した。
嫌な予感を胸にしたままで母の斜向かいに座った。
母は黙って私のことを眺め、「珍しいわね」と声を漏らした。
「え?」
「スカート。真梨が家で穿くなんて珍しいわね」
呟いた後、しげしげと裾から出ている脛を見ている。
「そ、そうかな」
ぎくりとしながら足を少し引っ込めた。
眼差しを向ける母を気にしながら、話があるのなら早くして欲しい…と願った。
「お母さん?」
一体何?と聞こうとした。
母はその言葉を遮るように、先に質問をぶつけてきた。