幾久しく、君を想って。
三月の第二金曜日、拓海を連れて『アラフォー部会』へと向かった。
場所は宣言通りイタリアンレストランと決まり、食いしん坊の拓海は朝からご飯の量も減らして待っていた。
「お腹が空いてるからって、慌てて食べたりしないでね」
店のドアを開ける前にもう一度念を押すと、拓海は「分かってるから早く入ろう」とドアを引く。
分厚いガラスドアの隙間を抜けて中に入れば、黒いエプロンを身に付けた女性が出迎えてくれて。
「いらっしゃいませ」
食事をしに来た親子連れだと思ったのだろう。
小さい円形のテーブル席に案内されそうになり、「あの…」と慌てて声をかけた。
「おーい!宮っちー!」
反対側の方から高本さんの大きな声が聞こえ、ビクッとなりながら振り向くと…
「…あっ!おじさん」
拓海は声を弾ませ、一目散に向かった。
「拓海…!」
驚いて声をかけたけれど間に合わず、既に彼のいるテーブルに着いている。
「…おっ、来たね」
拓海に気づいた人は「おいで」と言い、自分の隣に座らせようとしている。
「この子が宮っちの子供?」
「わぁ、かわい〜!幾つ?」
「宮っちの子供だから『子宮っち』でいいね」
既にメンバーには話が入っているらしい。
拓海は照れながらも、ちやほやと慣れない歓待を受けていた。
場所は宣言通りイタリアンレストランと決まり、食いしん坊の拓海は朝からご飯の量も減らして待っていた。
「お腹が空いてるからって、慌てて食べたりしないでね」
店のドアを開ける前にもう一度念を押すと、拓海は「分かってるから早く入ろう」とドアを引く。
分厚いガラスドアの隙間を抜けて中に入れば、黒いエプロンを身に付けた女性が出迎えてくれて。
「いらっしゃいませ」
食事をしに来た親子連れだと思ったのだろう。
小さい円形のテーブル席に案内されそうになり、「あの…」と慌てて声をかけた。
「おーい!宮っちー!」
反対側の方から高本さんの大きな声が聞こえ、ビクッとなりながら振り向くと…
「…あっ!おじさん」
拓海は声を弾ませ、一目散に向かった。
「拓海…!」
驚いて声をかけたけれど間に合わず、既に彼のいるテーブルに着いている。
「…おっ、来たね」
拓海に気づいた人は「おいで」と言い、自分の隣に座らせようとしている。
「この子が宮っちの子供?」
「わぁ、かわい〜!幾つ?」
「宮っちの子供だから『子宮っち』でいいね」
既にメンバーには話が入っているらしい。
拓海は照れながらも、ちやほやと慣れない歓待を受けていた。