幾久しく、君を想って。
初めて会った時から君への好奇心を積み重ねていって、配達日に交わす言葉の数が増えていくのが楽しみで仕方なかった。


もっと真梨をよく知りたい……。

例えば君が既婚者でもいいから…と、無粋な思いまで抱きそうになっていたくらいだ。


バツイチだと知り、いろんな葛藤が混ざり合いながらもお互いのことを教え合った。

気持ちが通い合った夜のことを、俺はいつまでも忘れないと思うよ。



あの夜の思い出がある限り、俺は君を好きでいる。

これからの長い人生、幾久しく、君を想い続けていくよ……。





「ん……」


「起きた?」


寝惚け眼にキスをする。
少し目の覚めかけた彼女に微笑みかけ、おはよう…と囁いた。


「着替えたら実家に拓海君を迎えに行こう。それから三人で、俺の作る朝ご飯を食べよう」


 
今日から新しい日々を重ねていく。

君達と過ごす時間を増やして、触れ合いの中でもっと絆を強めていこう。


そして、いつか自信が持てたら言う。




「もう一度、俺と結婚生活をやり直して下さい」…と。





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