幾久しく、君を想って。

これまでと同じように迎えないといけない。

「お疲れ様です。金曜日はありがとうございました」と、お礼を言っておかないと……。



午後二時が過ぎていった。

ブルル…とトラックのエンジン音が聞こえだし、ビクッと肩が跳ね上がる。

トラックはそのままオフィスの敷地内に入ってきたらしく、食材を運んでくる業者のトラックが着く場所にバックしながら止まる。


キィー。


ブレーキの音に胸が弾み、バタン…と運転席のドアが閉まる音が聞こえた。


「こんにちはー！ＣＯーＯＰでーす！」


元気のいい声に、ドアノブが回る音も掻き消されてしまう。

ガタン…と勢いよく立ち上がってしまい、その人の視線が注がれる。


「…お、お疲れ様です！」


相手はまだ何も言っていないのに、無性に顔が熱い気がする。

高本さんのせいだと思いながら、厨房にいる調理員さん達を呼んでこようとした。


「ちょ、ちょっと待って下さい。今、皆を呼んできますから」


そそくさ…と前を通り過ぎようとした。
自分がどんな顔をしているかとか、全く何も意識していなかった。



「あっ、宮野さん！」


呼びかけられてビクン！と背中が伸びきる。
同時に足が立ち止まり、棒立ちの状態で「何ですか？」と問う。


「あの…話があるんですけど、後で少しだけお時間頂いてもいいですか？」


「…話？」