幾久しく、君を想って。
「やだこれ…まだ取ってたんだ…」
引っ張り出して床に放り投げた。
忘れもしない別れた夫から買って貰ったセーターだった。
あの時は嬉しくて何度も着た。
若い頃には似合って、あの人も「似合う」と褒めてくれた。
床に落とした物は後からゴミに出そうと決め、別の服はないかと探す。
幸いにもベージュのニットワンピースを見つけ、それとコートでいいか…と手を打つ。
「早く着替えないと間に合わなくなる!」
床に置いたセーターは無視して着替える。
鏡に自分の姿を映してチェックし、タイツを履いてからコートを着た。
「まぁ合格?」
自画自賛してからコートを脱いだ。
メイクは普段とあまり変えず、シャドーカラーだけを明るいピンクにしてみた。
ルージュの上からグロスを塗るなんて何ヶ月ぶりだろうか。
前に林田さんと出かけた時以来だと思う。
アクセサリーもジャラジャラ身に付けるのは好きではないから、ワンピースの首元に天然石が付いたチョーカーだけを巻いた。
これで大人らしいと言えるかどうかは別として、それでも一応女らしくは見えるだろうと思う。
髪の毛はサイドを後ろに回してパレッタで留める。
巻いたりなんてしていたら、変に色気が増すようで出来ない。
学校行事に出かけるような感じ?
そんな風に見えなくもない。
引っ張り出して床に放り投げた。
忘れもしない別れた夫から買って貰ったセーターだった。
あの時は嬉しくて何度も着た。
若い頃には似合って、あの人も「似合う」と褒めてくれた。
床に落とした物は後からゴミに出そうと決め、別の服はないかと探す。
幸いにもベージュのニットワンピースを見つけ、それとコートでいいか…と手を打つ。
「早く着替えないと間に合わなくなる!」
床に置いたセーターは無視して着替える。
鏡に自分の姿を映してチェックし、タイツを履いてからコートを着た。
「まぁ合格?」
自画自賛してからコートを脱いだ。
メイクは普段とあまり変えず、シャドーカラーだけを明るいピンクにしてみた。
ルージュの上からグロスを塗るなんて何ヶ月ぶりだろうか。
前に林田さんと出かけた時以来だと思う。
アクセサリーもジャラジャラ身に付けるのは好きではないから、ワンピースの首元に天然石が付いたチョーカーだけを巻いた。
これで大人らしいと言えるかどうかは別として、それでも一応女らしくは見えるだろうと思う。
髪の毛はサイドを後ろに回してパレッタで留める。
巻いたりなんてしていたら、変に色気が増すようで出来ない。
学校行事に出かけるような感じ?
そんな風に見えなくもない。