幾久しく、君を想って。
親子二人で生きていくと決めた証明みたいなものだから、それを独身の彼に見られるのは恥ずかしい。
でも、松永さんはそれに気づいても何も言わず、「ありがとうございます」とお礼を言った。
「ありがとう」を言うのはこっちの方なのに…と思いながら、戸惑うように笑みを返した。
その後は雑談をして別れた。
別れ際に、「『アラフォー部会』に行く時は必ず連絡を下さい」と念押しされた。
「…はい」
どうしてそんなふうに答えたんだろう。
あの部会にも、そんなに行く気は無いのに……。
帰る途中で思い立ち、両親と拓海にケーキを買った。
内緒で男性と会ったから、罪滅ぼしみたいな気持ちがあった。
実家でケーキを食べ、母の代わりに夕飯の支度をして四人で食べる。
誰と出掛けたのか、何をしてきたのかと、特に聞かれることもなくてホッとする反面、きっと両親は私のことを信頼しているのだろうと思う。
そう思うと、後ろめたい気分にも陥る。
拓海が成人して働きだすまでは、私は再婚もせずにいるのがいい。
再婚なんてものをしたところで、またきっと壊れてしまう。
誰かと末長く過ごすのは無理だと、何処か諦められている。
だから何も聞いてこない。
母親だけを必死にやり続ければいいと考えているーー。
でも、松永さんはそれに気づいても何も言わず、「ありがとうございます」とお礼を言った。
「ありがとう」を言うのはこっちの方なのに…と思いながら、戸惑うように笑みを返した。
その後は雑談をして別れた。
別れ際に、「『アラフォー部会』に行く時は必ず連絡を下さい」と念押しされた。
「…はい」
どうしてそんなふうに答えたんだろう。
あの部会にも、そんなに行く気は無いのに……。
帰る途中で思い立ち、両親と拓海にケーキを買った。
内緒で男性と会ったから、罪滅ぼしみたいな気持ちがあった。
実家でケーキを食べ、母の代わりに夕飯の支度をして四人で食べる。
誰と出掛けたのか、何をしてきたのかと、特に聞かれることもなくてホッとする反面、きっと両親は私のことを信頼しているのだろうと思う。
そう思うと、後ろめたい気分にも陥る。
拓海が成人して働きだすまでは、私は再婚もせずにいるのがいい。
再婚なんてものをしたところで、またきっと壊れてしまう。
誰かと末長く過ごすのは無理だと、何処か諦められている。
だから何も聞いてこない。
母親だけを必死にやり続ければいいと考えているーー。