幾久しく、君を想って。
ドクンドクン…と疼いている心音に気を取られない様にしながら内線電話をかける。
「はい、事務所。久保です」
高い声が聞こえ、そうだった…と思い出した。
「…あの、生協さんが来ました」
そう伝えると電話口の向こうにいる女性が「はい!」とオクターブの上がった声を放つ。
久保さんは多分松永さんのことが好きなんだろうと思う。
私よりも前から、彼のことを見続けている。
(私よりも前から?)
そう思ってぎょっとしていた。
これでは私が松永さんのことを好きになっているみたいな思い方だ。
(な…何言ってるの。そんなことあったらいけないのに)
思い違いをしたんだと考え、事務室から外へ出る。
今週分のハッポースチロール箱は全て下ろされ、先週分を調理員さん達が手渡している。
「あー、もう下ろしちゃったんだー」
残念そうな声を出して久保さん達がやって来る。
松永さんは笑顔で彼女達を迎え入れ、注文書を確認しながら会話をしている。
人当たりが良くてセールスが上手い。
優しい雰囲気でいる彼を、久保さんの目が熱っぽく見ている。
「宮野さんは来週注文なしですか?」
不意に声をかけられハッとした。
視線を向けると、彼がフッと微笑んだ。
「注文書まだ頂いてませんが」
「はい、事務所。久保です」
高い声が聞こえ、そうだった…と思い出した。
「…あの、生協さんが来ました」
そう伝えると電話口の向こうにいる女性が「はい!」とオクターブの上がった声を放つ。
久保さんは多分松永さんのことが好きなんだろうと思う。
私よりも前から、彼のことを見続けている。
(私よりも前から?)
そう思ってぎょっとしていた。
これでは私が松永さんのことを好きになっているみたいな思い方だ。
(な…何言ってるの。そんなことあったらいけないのに)
思い違いをしたんだと考え、事務室から外へ出る。
今週分のハッポースチロール箱は全て下ろされ、先週分を調理員さん達が手渡している。
「あー、もう下ろしちゃったんだー」
残念そうな声を出して久保さん達がやって来る。
松永さんは笑顔で彼女達を迎え入れ、注文書を確認しながら会話をしている。
人当たりが良くてセールスが上手い。
優しい雰囲気でいる彼を、久保さんの目が熱っぽく見ている。
「宮野さんは来週注文なしですか?」
不意に声をかけられハッとした。
視線を向けると、彼がフッと微笑んだ。
「注文書まだ頂いてませんが」