幾久しく、君を想って。
あ…と気づき、持っていた紙を手渡す。
離してしまうのが惜しいような気もしながら、ゆっくりと手を開いた。


「これで全部ですね。皆さんチョコレートは注文しましたか?」


取り零しのない様に願いますよ…と頼み、それじゃあ…とトラックの運転席へ向かう。


私は一番先にその場を離れようとした。


彼を見てはいけないと思いながら、ハッポースチロールの箱を胸に抱えて歩き出したーーー。


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