幾久しく、君を想って。
『聞いてます。先輩が教えてくれました。俺も行きます』
(良かった…)
何故かホッとして、それを言葉にした方がいいのかと迷う。
文字にしてしまうといけない気がして、どうにもそれが出来ないでいると。
『また家まで送らせて下さい』
こちらの返事が遅いからだろう。
彼が先手を打ってきた。
いいのだろうか…と思いつつも、『お願いします』と返事を送る。
『任せて』と親指を立てるスタンプが戻り、クスッと小さく笑った。
私と彼はアラフォー世代なのに時々子供みたいになる。
私の精神年齢に、彼が合わせているからだろうと思う。
そんな会話をした後は天気予報について語り、明日は雪が降りそうだから気をつけて運転しよう…と言い合う。
『おやすみなさい』
『おやすみ。風邪に気をつけて』
松永さんはいつでも優しい。
あの噴水広場で見せた様な雰囲気を文字上では見たことがない。
暗くなっていく液晶画面を眺め、あの時のことを思い出す。
あのキスを思い起こす度に、私の心臓は速く動きだす。
なのに、彼はまるでそんな事をしなかったかの様な接しぶりで落ち着いている。
あまりにも淡々としているから時々イラッとくる。
こんなふうに乱される自分が歯痒い。
私だけがこんな感情に支配されている様に見えて、恥ずかしい気持ちがしてくる。
「お母さん」
(良かった…)
何故かホッとして、それを言葉にした方がいいのかと迷う。
文字にしてしまうといけない気がして、どうにもそれが出来ないでいると。
『また家まで送らせて下さい』
こちらの返事が遅いからだろう。
彼が先手を打ってきた。
いいのだろうか…と思いつつも、『お願いします』と返事を送る。
『任せて』と親指を立てるスタンプが戻り、クスッと小さく笑った。
私と彼はアラフォー世代なのに時々子供みたいになる。
私の精神年齢に、彼が合わせているからだろうと思う。
そんな会話をした後は天気予報について語り、明日は雪が降りそうだから気をつけて運転しよう…と言い合う。
『おやすみなさい』
『おやすみ。風邪に気をつけて』
松永さんはいつでも優しい。
あの噴水広場で見せた様な雰囲気を文字上では見たことがない。
暗くなっていく液晶画面を眺め、あの時のことを思い出す。
あのキスを思い起こす度に、私の心臓は速く動きだす。
なのに、彼はまるでそんな事をしなかったかの様な接しぶりで落ち着いている。
あまりにも淡々としているから時々イラッとくる。
こんなふうに乱される自分が歯痒い。
私だけがこんな感情に支配されている様に見えて、恥ずかしい気持ちがしてくる。
「お母さん」