切手に想いを添えて
「言うわけないでしょ!ミッコはやりたい事がないからそう言ってるの!
がむしゃらに動いてれば見つかることだってあるでしょ?
それにやったことがやりたい事になるかもしれないし。
まぁ、やりたい事を仕事にしてる人なんて一握りしかいないのが現実だし、見つけられたとしたって叶えられるかは自分次第なんだけどさ。
まぁ、頑張んなさいよ。」





頑張れって言われてもな~

何から頑張ればいいのか…





「あぁ~いっそ、お見合いして結婚しようかな~」



今度は言子姉ちゃんが溜め息を吐いた。



「お見合いって言ったって、必ずしもお祖父ちゃんとお祖母ちゃんみたいに良い人と出会えるわけじゃないのよ?」



「ちょっと言ってみただけだよ。私だってそんな甘く考えてないし…」






二人から攻められるのは辛い…

今は、これからについてのどんな話をしても気が落ち込みそうだ…





この空気を変えたくて、私は無理矢理話を変えることにした。



「ねぇ、そう言えばさ、あの箱何が入ってんだろう?」



お母さんが置いていった箱。
まぁ気になっていたのは確かだ。



「そうね、開けてみよっか。」



言子姉ちゃんがテーブルにそれを乗せ蓋を開けた。

その中には…




「あっ!これ、お祖母ちゃんが大事にしてた櫛だわ。
おばあちゃんの遺品、全部整理したと思ってたけどまだあったのね~ 」


「お祖父ちゃんの形見のボールペンもある!」


それから、唐草模様の布が張られたアルバムの様な物が入っている。


「これ、何かな?」




それを開けてみると…




「切手だ~」



たくさんの古い切手が何ページにもわたって綺麗に並べてあった。



「お祖母ちゃん、切手集めが趣味だったもんね。」



「ミッコのコレクター癖はお祖母ちゃんに似たのかもね。」



「ふふ…絶対そうだわ~」



「それ、ミッコ貰いなさいよ。私はこのボールペン貰うから。」



「じゃあ私はこの櫛貰うわね。」



お姉ちゃん達二人だけで話が進んでいき、それらを手に早々に立ち上がろうとする。




「ちょ、ちょ、ちょ、私こんなの貰っても困るから!
それにこんな古い切手まだ使えるの?」




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