3センチHERO
近くに落ちていた消しゴムと同じくらい、いやむしろそれより小さいくらいのサイズ。
髪型も、服装も、顔つきも。
全てが数日前の三枝くんと瓜二つだった。
とっさに周りを見渡すと、私の様子に気付いている人は誰もいない。
皆真面目に授業を受けている。
良かった、気付かれてない。
変に安堵しつつも、消しゴムとともに本当に小さい彼を拾い、とりあえず机に放つ。
一瞬人形かと思ったけれど、そんなことはなかった。
自由にさせた瞬間、歩いたり飛び跳ねたりと、のびのび動いている。
恐怖と好奇心が五分五分なくらいに駆け巡り、私はもう授業どころじゃなくなってしまった。