3センチHERO

「紘さんと仲良くさせてもらっています、逢坂です」


「…私は鳴海です」


答えると、女性はぱあっと表情を明るくさせ、家の中へと案内してくれた。


「まあ、紘のお友だちなのね。逢坂くんに鳴海さん…もしかして逢坂くんって小春くん?」


「…えっ、そうですけど」


「紘からよく話を聞いてたわ。学校ではよくお世話になっているそうね」


「いえ、世話になっているのはこっちの方です」


「ふふ、謙遜しちゃって。ところで今日は何の用事で?」


「あ、えっと…紘さんがお母様に話したいことがあるそうで」


「話? でも紘なら今ここには…」


女性がそこまで言いかけたとき、三枝くんは胸ポケットからひょっこり顔をのぞかせた。

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