3センチHERO
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三枝くんの話には、私も知らないことが含まれていた。
そう、私と出会う前のことだ。
彼も晴継さんと同様に、目が覚めたら神社の境内だったという。
一瞬何のことか分からなくて、どうして自分がここにいるのか、来た目的さえ忘れていたらしい。
ならばどうして自分の体が小さくなっていることに気がついたか。
それは学校への道のりがいつもの何倍以上も遠かったから。
ふと確認した携帯電話の時刻が遅刻ギリギリだったそうで、急がなければならないという妙に冷静で真面目な頭の一部が三枝くんの体を働かせ、覚えている限りの道を走ったそう。
だが結局着いたのは10時ごろで、遅刻したの事について怒られるのが嫌だったために、誰にも連絡しなかったという。