3センチHERO

本当に数センチサイズになってしまったのだと理解させられる状況になったのは、その後靴を履き替える時。


下駄箱が見上げるほどの大きさで、あまりの高さに靴を入れるのが恥ずかしかったのだと、プリプリ怒りながら話してくれた。


これまた、彼らしい理由だと思う。


それから近くのトイレの鏡で姿を確認すると、またさらに衝撃を受けたらしい。


なぜなら、鏡が一番信憑性の高いものなのだから。


疑う余地すら与えてくれないのだ。


これには三枝くんも、つい大声をあげてしまいそうになったという。


しかし、ここは学校。


見つかったら何をされるか…。


良い意味で単純の彼は、身長による捕獲よりも遅刻に関する説教の方が怖かったそう。

< 135 / 345 >

この作品をシェア

pagetop