3センチHERO

なんて話していると、ちょうどインターホンの音が聞こえた。


逢坂くんが到着したのかもしれない、と私は急いで玄関の方へ向かい、扉を開けた。


「あ、おはよう、鳴海」


そこにいたのはもちろん逢坂くんで、眩しいくらいの笑顔につい胸が高鳴る。


「うん、おはよう…」


今でも夢じゃないかと疑っているほどで、隙あらばほおをつねりたい衝動に駆られる。


「そういえば紘は? まだ寝てる?」


「ううん、いるよ。連れてこようか?」


「じゃあ、お願い」


てっきり2人だけだと思っていた私は、三枝くんも一緒なんだと知り、少し安心する。


やっぱり、2人でいるのと3人でいるのとでは緊張感がまるで違うから。

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