3センチHERO
3センチの大切な人
冷酷な言葉と優しい仕草
そして二階へと続く階段を上り、突き当たりにある自室に入った。
そういえば、今日は三枝くんを胸ポケットから出すのを忘れていた気がする。
しかも私はまだ部屋着に着替えていない。
ということは、三枝くんはまだここに…!?
上着のポケットにそっと手を入れてみると、もぞもぞとくすぐったいような感触。
「やっぱり…」
「やっぱり、って…鳴海が忘れてたくせに」
取り出してみれば、上目づかいで口を尖らせる三枝くん。
「あはは…ごめん、ごめん」
何も間違っていない正論に、笑ってごまかすことしか出来ない。
そっとドールハウスに下ろせば、近くの椅子に腰掛ける彼。
「…ってか、小春に告白されたって本当?」
「えっ…」
もしかして、さっきのお母さんとの会話聞かれてた!?