3センチHERO

この音は、メール…じゃない。


だとすると、電話?


疑問に思いながら、とりあえずそれに出てみる。


「も、もしもし…」


『あ、良かった…繋がった! 鳴海っ、紘がいなくなったって、本当か!?』


「うん。家中探してみても、どこにも見当たらなくて…」


『そっか、じゃあ今からそっち行く。鳴海はそこで待ってて』


その言葉を残すと同時に電話は切れた。


逢坂くんの声が焦っていた。


三枝くんがいなくなったことが、やはり悲しいのかもしれない。


そうだよね、2人は親友なんだし。


ああ、私はどうしてこんなに最低で、最悪なんだろう…。


皆の優しさに甘えるだけ甘えて。


本当に、醜い。

< 273 / 345 >

この作品をシェア

pagetop