3センチHERO

「『神隠し』を成功したから生きている、ってことは、もし失敗したら…」


「死ぬ」


迷いもなく言い切った晴継さんに、私たちは何も言えなくなってしまった。


「ほ、本当に…?」


「はは、冗談だよ。そんなの、私だって分かりっこないさ。死ぬかもしれないし、何も起きないかもしれない。全ては、『一寸成就』の終わり、『神隠し』にかかっているってことだな」


何も、分からない…。


つまり、『神隠し』が終わった後にそれは決まって。


死よりも恐ろしいことが待っている可能性だって、十分にあるということだ。


だったらとりあえず、『神隠し』を成功させよう。


三枝くんを見つけ出そう。


気合いを入れ直したその時、晴継さんが思い出したように言葉を加える。

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