3センチHERO

小さな家の掃除も終わり、三枝くんを呼ぶ。


だけど君は幸せそうな笑みをこぼして、安らかに眠っている。


可愛いなぁ………はっ、違う違う!


起こしてあげないといけないんだった。


「お、おーい…三枝くーん」


人差し指でお腹をさする。


強すぎると骨が折れちゃうかもしれないし、弱すぎると気づかないかもしれない。


本当に難しいところだ。


「んー………なに、ご飯?」


夢を見ていたのか、寝ぼけたように目をこすりながら答えた。


今さっき、ロールケーキを食べてお腹いっぱいだとか言っていたのに、まったくもう。


「家きれいにしておいたから、自由に使っていいよ」


「まじで!? やった!」


その言葉で飛び起き、走って家の方へと向かっていく。

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