3センチHERO
「すみません、お邪魔してます」
挨拶をしたのは晴継さんで、私の友だちにしては野太すぎる声に、お母さんは目を見開く。
「おはようございます…あ、あの、どちら様で?」
やばい、そこに気付いてしまったか。
「えっと、晴継さんは…」
「晴継さん?」
あ、いつものように下の名前で呼んでしまった。
明らかに不信がってるよ。
なんて誤魔化せば…。
「ち、違くて、あの…」
「初めまして。私は、こいつ、逢坂 小春の祖父で、逢坂 晴継と申します」
見事完璧な説明で、お母さんを圧倒させる。
すごいなぁ、大人って。
私は思わず感動してしまう。