3センチHERO

「すみません、お邪魔してます」


挨拶をしたのは晴継さんで、私の友だちにしては野太すぎる声に、お母さんは目を見開く。


「おはようございます…あ、あの、どちら様で?」


やばい、そこに気付いてしまったか。


「えっと、晴継さんは…」


「晴継さん?」


あ、いつものように下の名前で呼んでしまった。


明らかに不信がってるよ。


なんて誤魔化せば…。


「ち、違くて、あの…」


「初めまして。私は、こいつ、逢坂 小春の祖父で、逢坂 晴継と申します」


見事完璧な説明で、お母さんを圧倒させる。


すごいなぁ、大人って。


私は思わず感動してしまう。

< 280 / 345 >

この作品をシェア

pagetop