3センチHERO
思わず頷く私に、鈴村さんは問いかける。
「ってかさ、紘くんて鳴海さんの家に住んでるんでしょ? なら、いついなくなったとか分かるんじゃないの?」
正論という正論を言われ、何も返せない。
そうだよね、やっぱり私が変な意地張って逃げていたのがいけないんだ。
「…ごめんなさい」
「いや何も謝ってほしい訳じゃなくてさぁ」
「もうその辺でいいだろ。鳴海の心はピュアすぎるんだから、あまり変なこと言って傷付けんなって」
逢坂くんが優しく止めに入った。
私をかばっているのか、今はそれどころじゃないのか。
きっと後者だと思うけれど、そんなのはどうでもよかった。