3センチHERO

こんな風に隣で歩いたり、一緒に笑ったりしているなんて、きっと想像も出来なかった。


今の私がここにいるのは、間違いなく三枝くんがいたから。


彼との出会いが、未来を変えたんだ。


だから次は、私が恩返しをする番。


小さい三枝くんも可愛いけれど、元のサイズの三枝くんにも会いたい。


一寸成就終了まで、あと少し。


この短い時間を、1日1日を、大切に過ごしていかないとな。


2人の言い合いを横目に、私はまた微笑んだ。










三枝くんの家に着き、インターホンを押す。


ここへ来るのは3回目だ。


遊園地の帰りと、逢坂くんに告白されたあの日。


そして今日は、三枝くんがいない。


なんか変な感じがするような、不思議なもどかしさが残る。

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