3センチHERO
賽銭箱に近づき、5円玉を投げ入れる。
私と三枝くんにご縁がありますように。
なんて三枝くんと同じようにこの神社で願ってみても、当然一寸成就にかかるはずもない。
『一寸成就が起こるのは、皐月の満月の日、黄昏時だけと決まっておるのだから。思いが強い者だけ、一寸になることが出来るのじゃ』
そういえば、おばあちゃんがこの間言ってたっけ。
また行ってみようかな。
もしかしたら何か知ってるかもしれないし。
夕焼け空の下、私はそんなことを考えながら神社を後にした。
家に帰ると、メールが入っているのに気付く。
メールを開こうとしたところ、ちょうどまた音が鳴った。
誰だろう、と普段あまり鳴ることのない携帯電話の着信音に感動を抱きながら、私はそれを開く。
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