3センチHERO

なんて考えていると、思いが顔に出ていたのか否か、おばあちゃんはニヤリと笑って立ち上がる。


「さては、休んできたのかい? 制服を来ているということは、両親にも黙って来たんじゃろう? 違うかい?」


「う…」


見事全て言い当てられてしまい、思わず手で口元を覆う。


「なあに、私はそんなこと気にしないさ。誰にも言わんし、帰らせたりもせんよ」


えっ、と驚きを示した私は、手を離す。


「どうせ結子のことだ、またあの少年のことじゃろう?」


そこまでお見通しだったとは。


どうやらおばあちゃんは、私が思っていたよりも鋭い観察力を持っているようだ。

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