3センチHERO
バスと電車に揺られ、いつもの駅に着く。
私の考えが正しければ、三枝くんはきっとあそこにいるはずなんだ。
だから家には向かうことなく、学校へと歩む。
時計を確認すると、ちょうど2時を過ぎたところ。
誰ともすれ違わないのはそのせいか、となんだか不安になる。
学校に遅刻していくなんて初めてだ。
これも無断遅刻という形になってしまうのだろうか。
お母さんにはいつものように学校へ行くとしか言って来なかったし、先生やクラスメートには何の連絡もしていない。
心配されるか、不信がられるか。
これから起きる出来事を想像すると、なんだか頭が痛くなる。
怒られてしまったら、と思うと。
…けど、今は三枝くんの方が大切だ。
怒られても、注意されても、なんでもいい。
三枝くんにさえ会えれば、それで。