3センチHERO


もう一つは過去に事例があったかどうか。


『一寸成就』を体験した人がいるなら、きっと参考になるはず。


「えーっと、町の歴史の本とかかな…」


とりあえず適当に何冊か手に取ってみて、ぱらぱらと本をめくっていく。


「あっ、これじゃね?」


机の上に乗り、もっと近くで観察している三枝くんが、ある10年ほど前の記事を指差して言う。


私より小さい文字もちゃんと見えているようだから、まるで虫めがね代わりのように使っているみたいで、少し申し訳ない気もする。


「どれ?」


まあそんなことはさておき、今は彼の身長をどうにかするのが先だと思い、食いつくように記事を見た。


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