3センチHERO
結局、どうしたらいいだろう。
三枝くんが小さいってことをよく知っている人がいいんだけど、そんな人なんて都合よくいるはずが……。
『ない』
そう言おうとしたとき、同じことを考えていたのか、ふいに三枝くんと目線が交わる。
お互い何が言いたいか、それは声に出さなくても分かった。
家を出て、向かう先はあの場所。
私が行くのは、2回目となる。
無事に家にいてくれればいいんだけど。
ピンポーン、とインターホンが鳴る。
はーい、という言葉とともに出てきてくれたのは、私たちが探していたあの人。
「どちら様ですかー………って、鳴海!?」
「よっ!」
驚いている逢坂くんに、胸ポケットから顔を出した三枝くんは手をひらひらと振る。