3センチHERO

「紘まで! どうしたんだ、一体。また、じいちゃんか?」


「ううん、今日は違くて…」


「ハル、遊園地行かねぇか!?」


「はあ!? なんなんだよ、いきなり!」


訳の分からない様子の彼に、三枝くんは丁寧に説明する。


ところどころ顔をしかめていた逢坂くんだが、三枝くんが話し終えたときには、納得したような表情を見せていた。


「なるほど。それでそのチケットは新月が上る今日限りしか使えない、ってことか」


「そう、物分かりがいいじゃんか! で、どう?」


わくわくした気持ちで待つ三枝くんに、困惑している様子。


私だったら、たとえ予定があったとしても、NOとは言えないだろう。

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