イケメンエリート軍団の籠の中
凪ははてな顔で肩をすくめた。
「この会社とは別にセキュリティのチームに入ってるだろ?
今のアメリカ海軍の担当の奴が、かなりダメダメらしい。
ヤバい事になってるらしくって、急遽、要請があったってわけ。
ま、この平和な日本では俺の出番は少ないし、ソフィアから来月にはニューヨークへ戻って来いと命令があった」
凪は横目で舞衣を見た。
こんなに舞衣に惚れてしまったのは、凪の中でも想定外だったから。
「じゃ、凪、なおさらだよ。
舞衣にもうちょっかいは出すな。
好きならなおさらだ、舞衣を傷つけたくないだろ?」
ジャスティンはそう言うと、今度は振り返ることもせずにこの部屋から出て行った。
舞衣はそんなジャスティンをずっと目で追った。
2か月後って覚悟はしていたけど、2週間はあまりに短すぎる。
「ねえ、お前さ~、何で携帯の電源切ってんの?」
え…? この状況でその話??
「あ… すみません…」
舞衣はそれだけ言うと、自分の意思とは関係なく涙が溢れた。
「ご、ごめんなさい… ちょっとビックリして…」
凪は目を細めたまま軽く微笑んだ。
「優しい男はジャスの言うようにするのかもしれないけど、俺は俺がしたいようにする。
じゃ、今、俺が何をしたいか教えてやるよ。
俺は毎日お前と一緒にいたい、OK?」