イケメンエリート軍団の籠の中



「舞衣、例の物も届いてるぞ」


舞衣は凪の家に置いているワインを、ご満悦な表情を浮かべて飲んでいた。


「例の物って何ですか?」



「は? 覚えてないの??」

凪は舞衣のその言葉を聞いた途端、すぐに舞衣からワイングラスを奪い取った。


「酔ってるなとは思ってたけど、あの時完全に酔っ払ってたんだな。
昨夜、一緒にパソコンで注文したの覚えてない?」


舞衣は、大好物のはちみつを取り上げられた小熊のような顔をしている。
凪はそんな舞衣の前に、段ボールの箱を置いた。


「開けてみ」


不思議な顔をしながら舞衣がその箱を開けてみると、中から見覚えのある品で出てきた。


「色…違い?」


舞衣がチラッと凪を見ると、最高に幸せそうな顔をしている。


「俺は白と黒を選んで、うさ子は青を選んだんだ。本当に覚えてないの?」


そう言いながら、凪は真っ白のうさ子のモコモコフリースを開け始めた。


「着替えるんですか…? 今?」


舞衣が面倒くさそうにそう聞くと、凪は最高の笑顔を見せて頷いた。
舞衣はげんなりとしながら着替えに行く。



凪さんのうさ子好きには困ったものだ……
今日は白で、明日は青で…… 









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