イケメンエリート軍団の籠の中
舞衣は凪といると、不思議と肩の近くが抜け楽に過ごせることが分かった。
会社ではあんなに怖いのに……
ここにいる凪さんはコロコロいつも笑ってる……
「ねえ、舞衣、この週末、極上のデートをしようか?」
大きなソファにゆっくり足を伸ばしうっとりと夜景を見ている舞衣に、凪はそう聞いてみた。
「極上のデートって……
私にとっては今が極上のデートですよ」
舞衣の一語一句は、凪の心の琴線に穏やかに触れる。
舞衣の世間知らずの少しずれたところが、現実主義のささくれた凪の心に、夢心地という不思議な感情を与えてくれた。
凪は我慢できずに、舞衣を自分の腕の下にすっぽりと抱き寄せる。
捕食者気質が非常に強い凪は、このあふれ出る保護本能に逆らうことができないし、逆らう気もさらさらない。
舞衣は俺のものだ……
「もっと極上の夜景を見に行こう」
舞衣は凪の腕の中で舞衣の耳元近くに体をずらした。
「極上の夜景って、この夜景よりも凄いんですか?」
舞衣にとってはこの部屋から見える夜景こそが極上の夜景だと思っているために、思わず驚いてそう聞いた。
「これか?
この夜景は俺の知ってる夜景の中じゃ、100位にも入らないな」
「100位にも??」
舞衣のクルクル変わる表情は凪の心臓をいつも一撃する。
凪は無意識に舞衣の鼻の頭にキスをした。
「まずは凪様ランキングの10位の夜景を見に行こう」