イケメンエリート軍団の籠の中
「凪の事はあんまり気にしないでいいから…」
皆への紹介が終わりもう一度社長室へ戻ってきた時、ジャスティンは舞衣のの事を気遣ってそう言った。
「……はい」
舞衣は凪がどうのではなくて、自分がこの超一流のセレブな場所で働いていけるのか自信をなくしていた。
「ジャスティンさん、私、やっぱり場違いな気がするんです。
私みたいな普通で何も知らない子が、働くような所じゃない。
凪さんの言う通りです……」
ジャスティンはソファに置いてあった舞衣のバッグを取り、舞衣に渡した。
「最初からセレブで一流な奴なんて、滅多にいないよ。
皆、一生懸命やっていく過程で、この生活を手に入れるんだ。
実力の世界だけど、もちろん運だって大きい。
舞衣は自分でこの大きなチャンスを手に入れたんじゃないか。
変わる変わらないは自分次第だよ」
ジャスティンはそう言うと、舞衣にウィンクをした。
「じゃ、今から、舞衣を舞衣だけのお城に連れて行ってあげる」
「お城??」
「そう、女子社員のためのメイクルームみたいなやつ?
女子社員は舞衣しかいないから、あのめっちゃ可愛い部屋を一人で使っていいよ」
舞衣はさっきまでの落ち込みはすっかり忘れ、両手を口に当てて興奮していた。
「あ、でも、さっきの話の続き。
凪だけは、生まれた時から超一流のセレブな奴だから。
だから、ちょっとぶっ飛んでのかもな」
生まれた時から超一流でセレブ?
あの凪さんが??
あ、ダメだ……
また、頭の中が凪さんでいっぱいになってきちゃった……