イケメンエリート軍団の籠の中



一瞬、場が凍りついた。


「凪、なんだよ、やぶからぼうに」


ジャスティンは舞衣の事を気にしつつ、凪をなだめようとした。


「いや、俺が、もし結婚してて娘がいてその後離婚したとしても、娘には絶対そんな思いはさせたくないって思ったからさ。
愛する人間が幸せじゃないのは我慢できない。
ただそれだけ…」


ジャスティンは凪に表情でバカと言った。
舞衣には、優しい笑顔で何でもないよと慰めた。


「お前の話なんてどうでもいいんだよ。

ま、でも、マイマイ、これからは俺たちが守ってあげるから何も心配いらないからね」


映司の真っ白い歯は、薄暗いバーの中でも光り輝いている。
舞衣は皆の有り難い言葉に、逆に恐縮して小さくなった。


しばらくして、家庭持ちのトオルは先に帰った。
皆、バラバラに席を立ち始め、気がつくとテーブルには舞衣と凪の二人だけになっている。

舞衣は緊張して、前に置いてあるカクテルをがぶ飲みした。
凪の視線が気になって、大きく開いた胸元を手で隠すように何度も押さえてしまう。

別に大して大きい胸じゃないけど、凪さんに軽蔑されるのが怖い。
っていうか、これ以上、凪さんに嫌われたくないよ…



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