イケメンエリート軍団の籠の中
舞衣は、凪が隣に座るのを横目で確認した。
なおさら緊張してしまい、胸元を押さえる手もブルブル震える始末だ。
でもその時、お酒がじんわり回っている舞衣の頭は、やっと大切な事を思い出した。
「あ、凪さん、あの、グ、グッドマークをたくさん頂いて、な、何かの間違いではないでしょうか?…」
もう日本語がグダグダだ。
でも、舞衣はちゃんとお礼を言わなくちゃと気だけが焦っていた。
「間違い?
え、もっと、欲しかった??」
やっぱり凪さんは意地悪だ…
「いいえ、グッドの数が多過ぎて心臓が飛び出しそうだったので…」
舞衣はまた泣きそうだった。
凪の前では自分をコントロールできない。
舞衣が下を向いてると、優しい柔らかい肌触りの何かが舞衣をふわっと包んだ。
「これ?……」
グレーの薄いカシミヤ素材の大きなマフラーが、まるでドレスアップするためのストールのように、舞衣の肩をやんわりと隠した。
「寒そうだし、気にしてそうだし、それ貸してやるよ」
舞衣は一瞬で恋に落ちた。