イケメンエリート軍団の籠の中



「あ、ありがとうございます…」


舞衣の目から堪えきれずに涙がこぼれた。

凪さん、こんなに怖いのに、なんて優しいの?…


「泣いてんの?
マジかよ、俺ってそんなに怖いかな?」


凪の目は舞衣の大好きな少年のような瞳になっている。


「怖いか、怖くないかって言われれば…… 
怖いです…

だって、か、可愛くないって……」


そのワードを自分で言ってしまい、ますます涙が溢れてきた。
凪はそっと舞衣の手にハンカチを握らせる。


「マジで泣き過ぎ。
あいつらが帰って来るまでには泣き止んで」



「……はい」



舞衣はちょっとだけ喋り過ぎた自分を悔やみながら涙を拭いた。


「可愛くないって言った事で傷ついたんなら謝るけど、でも、その前に自分自身のメンタル鍛えなきゃ、ここじゃやっていけないぞ」



「……はい」



舞衣は凪の顔から目が離せなかった。
凪の瞳の奥の奥にある二重の線が出てくるのを、心待ちに待っている自分を抑えられない。

ううん、目だけじゃない…
鼻だって綺麗に筋が通ってるし、口元も笑えば斜めに上がるところが凄く可愛い…

どうしよう…
ソフィアにはブサ専って言っておきながら、超イケメンの凪さんを、それも初日に好きになってしまったなんて~~~



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