イケメンエリート軍団の籠の中
舞衣は、8時半には会社に着いた。
一番早い出社の場合、セキュリティを解除して、会社の玄関の鍵を開錠しなければならない。
舞衣は教わった通りに、指紋認証をしてパスコードを入れる。
すると、玄関扉脇にあるコンピューターが作動し始めた。
よかった… まずは第一関門突破~~
今度は玄関の鍵の開錠だ。
舞衣は昨日もらった資料を開きながら、セキュリティナンバー、EOCの認証番号、さらにパスコードと順番通りに打ち込むがエラーが出てしまう。
舞衣は、エラーの真っ赤な文字に驚いて心臓が高鳴り出した。
舞衣、慌てないで、深呼吸して。
別に泥棒に入ってるわけじゃないんだから、落ち着いて、大丈夫。
何度も自分を励ましながら、もう一度、資料も確認してキーを打ち始める。
あ、間違えた……
EOCの認証番号が長すぎる。
舞衣はまた一からやり直した。
危険を察知したせいか、コンピューターの画面が白からピンクに変わる。
舞衣、落ち着いて……
舞衣は少しパニックになっていた。震えでキーをまともに押せない。
深呼吸をして、もう一度ナンバーを確認して震える指をキーに乗せたその時、後ろから大きなしなやかな人差し指が伸びてきて、そのキーをタッタッタッと打ち始めた。