イケメンエリート軍団の籠の中
「こ、これは?」
「俺がスーツを買ってやる。
このショップだったら9時半までには配達してくれるから、皆が出社するまでには間に合う。
ほら、早く選んで」
舞衣はわけが分からなかった。
何で凪さんが私にスーツをプレゼントしてくれるの?
「ほら、早く。
どっちみち買うんだったら、俺が買ってやるって言ってんだろ」
「は、はい」
舞衣は言われるがまま検索し、適当にサイズの合う一番安いスーツを見つけだした。
「これでいいです」
「安いじゃん」
「や、安くないです…
私にとっては、めっちゃ高いです」
凪はその画面を何回かクリックして白い紙にプリントアウトした。
あ、値段が高いタイプになってる……
舞衣がそう思った瞬間、凪は誰かに電話をし始めた。
「あ、鈴木さん、俺、伊東凪だけど、メンズじゃなくてレディースで大至急持ってきてもらいたい品があるんだ。
今から、データで送るから、9時半までにはよろしく。
あ、プレゼントだから、ちゃんと箱に入れてリボンもかけてね、よろしく」
凪はそう言って電話を切った。