イケメンエリート軍団の籠の中



舞衣は凪に手を引っ張られ、危うくコーヒーをこぼしそうになった。

でも、凪はまだ舞衣の手を握っている。
そして、テーブルに座っている凪の足の間に、舞衣をいつの間にか囲んでいた。


「なので……
やっぱり、身内や恋人でもない人に高価なプレゼントをもらうわけにはいきません。
凪さんの優しいお気持ちだけいただきますね、ありがとうございます」


凪はコーヒーをテーブルに置いて、舞衣の顔をジッと見ていた。
眉毛より上でパッツンに切り揃えられた前髪も、ぽちゃぽちゃした体形も、決して美人とは言えない顔のパーツも、不思議な事に見れば見るほど可愛く思える。
最初見た時は、あまり何も印象はなかったのに。

これが、あばたもえくぼということか?…
となると、俺はこの松村舞衣に惚れているってことだ…
うん、確かに、今は可愛くてしょうがない。


「な、何か、顔についてますか?…」


舞衣は、不機嫌な顔でジロジロ見られることに悲鳴をあげそうになった。

すると、凪は容赦なく舞衣の顔をぷにゅぷにゅし始める。


「な、何でしょう?? 凪さん?」


舞衣の顔をぷにゅぷにゅする凪の顔は、少しずつ柔らかくなってきた。


「つきたての餅みたい。
むちゃくちゃ気持ちいい」


餅って……
でも、凪さんの顔が嬉しそうだから、餅でもいいです……




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